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矯正治療全般

矯正治療費用を医療費控除で節約しよう!

2019年4月22日

健康保険適用外の自費診療(自由診療)の矯正治療も医療費控除の対象です。制度を正しく活用して矯正治療費用を節約しましょう!

医療費控除とは

1年間に支払った医療費が世帯全体で10万円を超えた場合、10万円を超えた分が所得税の対象から控除されます。
確定申告の際に、1年間の医療費を合計して申告するのが基本的な手順です。万が一申告忘れの場合も5年間は遡って申告することが可能です。通院の際の交通費(公共交通機関)なども対象ですので、病院やクリニックでもらった領収書、交通費、処方された薬代など、すべて保存しておきましょう。
※領収書は再発行されないものですので大切に保存しましょう。病院によっては再発行のかわりに「医療費証明書」を交付してもらえる場合がありますが、手数料がかかるのが一般的です。

医療費控除・確定申告の方法は? 

医療費控除は自身で確定申告の際におこないます。
1月1日から12月31日の間に支払いをした医療費の合計を、2月16日から3月15日の間に確定申告をします。
確定申告は、
・担当税務署に行って確定申告書を提出
・担当税務署に確定申告書を郵送
・インターネットで電子申告(e-tax)
担当税務署の管轄は、住民票の住所により決まっています。
また、5年前のものまではさかのぼって申告することができます。
※医療費控除は年末調整で処理することはできず、自分で確定申告する必要があります。

医療費控除額の計算の仕方は?

合計所得金額が200万円以上がどうかで異なります。

合計所得金額が200万円以上1年間に支払った医療費-保険金などで補填される金額-10万円
合計所得金額が200万円未満1年間に支払った医療費-保険金などで補填される金額-所得金額の5%

「合計所得金額」など耳慣れない言葉がでてきますが、いちど確定申告書の記入をしてみると理解しやすいと思います。確定申告書は国税庁のホームページなどからダウンロードできます。

デンタルローンや分割払いの場合の計算方法は?

金融機関をつかって分割払いをする場合でも、医療機関に対しては一括払いしたことになります。
具体的には、金融機関でローン契約し医療機関に支払われた金額が医療費控除の対象となります。

世帯全体とは?

「生計を一つにする家族」と定義されており、同居は条件とされていません。
したがって、扶養家族は当然のこととして、夫婦が共働きの場合、仕送りをして離れて暮らしている家族、単身赴任の父親などもOKです。

交通費の請求は?

基本的には電車、バスなどの公共交通機関でかかった費用が対象です。タクシー代、マイカーのガソリン代などは対象となりません。
バスなどでは領収書がもらえない場合などもありますが、きちんと記録をして一覧できるように提出すれば大丈夫です。乗車した日付と区間、金額などを毎回きちんと記録しておくことが大切です。交通費や薬局での薬代など含めて10万円を超えた分が控除の対象です。大切に保管しましょう。

矯正治療のうち医療費控除の対象となるもの、ならないもの

歯科治療のうち、「美容目的」や「予防目的」の歯科矯正治療は医療費控除の適応とならないという原則があります。(美容整形や人間ドックなどは対象とならない代表的な例です)
具体的に箇条書きにすると、
子供、成長期の矯正治療はすべて医療費控除の対象になります
健康保険適応の歯科矯正治療は成人/子供を問わず医療費控除の対象です
 (顎変形症の外科矯正、6歯以上の多数歯欠損、厚生労働大臣の定める先天性疾患)
・その他の一般的な自費診療の成人の矯正治療は基本的に「美容目的」とみなされますが...
美容目的ではないことを証明する診断書の添付により医療費控除の対象となります
確定申告は2月15日から3月15日ですので、年明けごろには一度、通院中のクリニックに相談して診断書を発行してもらいましょう。(診断書の発行には発行料がかかるのが一般的ですが、医療時控除用(税務署提出用)の診断書は無料としているクリニックも多数あります)

医療費控除でどのくらい税金が安くなる?

課税対象から医療費分が控除されるので、その分の税金が下がります。
毎月の給与から税金が源泉徴収されている場合などは、医療費を確定申告することにより払い過ぎとなった分が戻ってきます。自営業など、確定申告で決定した所得税を支払う場合は、支払う税金の金額が下がります。

そもそも税金の金額ってどうやって計算する?

確定申告により確定した所得金額に基づき所得税の税率が決まります。
所得金額の計算方法はおおまかには【所得の総額】ー【様々な所得控除】で計算します。
所得控除には基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険控除、製麺保険料控除などがありますが、これら控除のひとつが「医療費控除」です。

所得金額所得税住民税の税率
195万円以下所得金額×5%10%
~330万円以下所得金額×10%−97,500円10%
~695万円以下所得金額×20%−427,500円10%
~900万円以下所得金額×23%−636,000円10%
~1800万円以下所得金額×33%−1,536,000円10%
~4000万円以下所得金額×40%−2,796,000円10%
4000万円超所得金額×45%−4,796,000円10%

所得税は、収入から控除を差し引いた金額に基づいて計算されます。
また、翌年に支払う住民税は前年の所得金額と所得税に基づいて算出されます。(上表は平成31年のもの)

具体的にどのくらい税金が安くなるか

所得税率が上記の表のとおり計算されるため、同じ医療費でも、所得金額によってどのぐらい税金が減るかは異なります。

例1:年間の医療費が80万円、所得金額が330万円だった場合
(1) 10万円を超えた分が医療費控除の対象:80-10=70万円
(2) 所得金額330万円の所得税率は10%:70万円の10%は7万円
確定申告により7万円所得税が下がります
(3) 住民税は一律10%:70万円の10%は7万円
翌年支払う住民税も7万円下がります
この例では80万円の医療費の実質が66万円

例2:年間の医療費が140万円、所得金額が500万円だった場合
(1) 10万円を超えた分が医療費控除の対象:140-10=130万円
(2) 所得金額500万円の所得税率は20%:130万円の20%は26万円
確定申告により26万円所得税が下がります
(3) 住民税は一律10%:130万円の10%は13万円
翌年支払う住民税も13万円下がります
この例では140万円の医療費の実質が101万円

医療費控除を確定申告することで実質の支出を抑え、相当な金額が節約できます。
一般的に矯正治療は、表側の矯正装置で80~110万円程度、裏側の矯正治療では120〜150万円ほどの総額となりますが、見かけほどの支出とならず見すみますので、矯正治療の支払いをした年はかならず確定申告をしましょう。

まとめ

・年間の医療費が10万円を超えた分は医療費控除の対象
・3月15日までの確定申告で自分で申請
・成人矯正の場合は診断書が必要
・領収書は交通費もふくめ必ず保存

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