非抜歯矯正は普通の矯正治療と何が違うのか?
矯正治療で抜歯が必要になるの主な事例 歯並びのデコボコが著しい 歯並びがデコボコになる主な理由は、歯が生える場所が足りないからです。多少の不足であれば、歯列を側方に拡大したり、多少歯の側面を削ったり、奥歯を後方にずらすなどの方法でスペースを作りデコボコを解消することができます。しかしある程度以上スペース不足の問題が著しい場合は、そのような方法だけではスペースを十分に作ることができず、前歯が著しく前方に傾斜することになり、結果的に横顔で口元が前方に突出するなど非抜歯で矯正治療することの弊害の方が大きくなっ ...
子供の矯正・いつから始める?
開始時期は早いほど良いのだろうか? 上顎前歯が3〜4本永久歯になった頃に不正咬合のチェックを 不正咬合の状況や、歯の生え替わりなどにより異なりますが、一般的には上顎前歯が3〜4本永久歯に生え変わった頃がひとつのチェック時期といえます。年齢的には個人差がありますが小学校2〜3年生ごろのことが多いです。前歯4本が永久歯に生え変わった概ね2年程度は、乳臼歯(乳歯の奥歯)が比較的安定している時期なので、さまざまな矯正装置を使用しやすい時期でもあります。一方、下顎骨の成長時期が身長の増大期であるのに対して、上顎骨 ...
矯正治療の医療費控除の方法と高額療養費制度(まとめ)
確定申告の時期も近づき、矯正治療中の患者さんから医療費控除と高額療養費制度についての質問が増えてきたので解説したいと思います。 医療費控除とは 1月1日から12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする家族・親族のために一定額を超える医療費を支払った場合、その医療費を基に計算される金額の所得控除を受けることができ、これを医療費控除といいます。健康保険診療の自己負担分、あるいは、自費診療でも治療のための医療費が対象です。美容目的(審美目的)の医療費は対象とならないため注意が必要です。自費診療での矯正 ...
インコグニト製造終了に思うこと
2025年1月10日、フルデジタル舌側矯正治療システムの先駆けであったインコグニトの製造終了が正式アナウンスされました。デジタル技術(CAD/CAM)を用いて煩雑な舌側矯正治療をシステム化した先駆けとなるインコグニトが製造終了となることは、患者さんにはあまり関わりのない話なのですが、インコグニトの製造終了は矯正治療の進化と市場の変化を象徴しており、一つの時代の節目と感じましたので雑感を記しておこうと思います インコグニトが矯正治療にもたらしたもの 日本では2006年ごろからサービスインされたインコグニトで ...
矯正歯科の選び方
矯正治療をしたい!と思った時、まずは矯正歯科を初診して相談をする必要があります。「矯正歯科の選び方」と検索すると実にさまざまなウエブサイトが表示され様々な意見が述べられていますが、実際にどの様な観点で矯正歯科を選べば良いのでしょうか。 矯正治療を始める前に想定するべきこと 矯正治療をうける矯正歯科を選ぶにあたり、矯正治療がどのようなものかをある程度把握しておくと判断しやすくなります。・不正咬合の状況によりますが、2~4年程度の期間、定期的に矯正歯科に通院する必要があります・たいていの場合、矯正治療は健康保 ...
矯正治療の初診相談、何軒までが普通だろうか?
矯正治療をする歯科医院を実際に選ぶために幾つかの矯正歯科を比較検討したいと思うのは患者さんとしては当然のことだと思います。巷では「矯正歯科を決めるには少なくとも3軒以上初診するべき」といった都市伝説?もあるようですが、矯正治療を引き受ける矯正歯科としては無闇に複数の矯正歯科を初診するというのは必ずしも賛成できる意見ではありません。自分にとって最良の矯正歯科を選びたいという患者さんの心情は理解しているとはいえ、比較や情報収集のためだけの初診は矯正歯科にとって負担となり疲弊して行きますし、患者さんにとってもあ ...
顎変形症・外科矯正の概要と費用、健康保険の適用
顎変形症・外科矯正とは? 矯正治療が必要な不正咬合の中で、顎の骨の手術の併用が必要なものを「顎変形症」といい、顎骨の手術を併用した矯正治療を「外科矯正」といいます。歯並び・噛み合わせは単純に歯だけの問題ではなく、歯の生えている土台となる、上あご(上顎骨)・下あご(下顎骨)の位置関係が根本的な要因となっています。極端に上下顎骨の位置関係がとても大きくズレている場合には、歯の矯正だけでは噛み合わせを治せないので、顎骨の手術併用が必要になります。逆に言えば歯科矯正治療としては不必要に手術まで計画することはありま ...
アライナー矯正の動向・2019/Q1現在
ブラケットとワイヤーなどの目立つ矯正装置を使用せずに歯列矯正が可能なマウスピース矯正(アライナー矯正)が注目されています。従来からブラケット装置を使わずに、着脱式の矯正装置で歯列矯正をしようという試み自体は新しいことではありません。しかし着脱式の装置では精密かつ確実に歯を動かすことが困難だったため、いわゆる歯列矯正には力不足なことが多く、小規模な歯の移動や大まかな動きに限定して用いられるものでした。ところが1997年に設立されたアラインテクノロジー社の「インビザライン」は、CAD/CAM技術を利用し精度の ...
「私の場合の歯列矯正はいくらですか?」という問い合わせ (2)
矯正治療の初診相談や電話問い合わせなどでは「自分の場合の矯正治療費用が聞きたかったので来ました」という話をよくききます。結果的に「ホームページに記載してある通りですよ」とお答えすることも多々あります。単純な料金体系の問い合わせであれば、初診を受信するまでもない事務的な質問となることも多いため、前回と今回の2回に分けて【矯正歯科のホームページから矯正治療費用をどのように読み取るか】【実際に受診しないとわからないことと、ホームページをみればわかることは何か】ということを書いています。前回は、矯正治療で発生する ...
「私の場合の歯列矯正はいくらですか?」という問い合わせ (1)
矯正歯科では、「私の場合の矯正治療費用は具体的にどのくらいか尋ねたい」という問い合わせがあります。一般的には自費診療となる矯正治療ではもっともな質問のひとつですが、一方現在では、ホームページなどでそれぞれの矯正歯科が相当詳しい情報提供をしています。そのため問い合わせ対応をしている立場としては、「すべてホームページに記載してあるので詳しくはそちらをご覧ください」と回答することも多く問い合わせるまでもない事例も増え、なかには、矯正治療にかかる費用の概算を聞くためだけに初診を受診されているケースも見受けられます ...
矯正歯科への電話問い合わせ、どの程度まで質問できる?電話で答えられることと電話ではわからない矯正治療の問い合わせ
矯正治療を検討されている患者さんにとっては様々な疑問や不安があることでしょう。矯正歯科を初診する前に、色々と情報収集したいのも事実。実際のところ、歯科医院に問い合わせをされる患者さんの質問はなかなか簡潔にはまとめられない質問をされることが多々ある一方で、矯正歯科は本来「治療」が業務なので、不意に訪れる電話問い合わせに、いつでも詳しく丁寧にこたえられる時間があるわけではありません。矯正歯科にとっても、矯正治療をするうえで患者さんとの信頼関係はとても大切だからこそ、患者さんにとっても、やみくもに自分の悩みを電 ...
矯正治療中の妊娠〜出産。どう対応するのが普通?
矯正治療は年単位の長期間の通院が必要です。そのため、さまざまな人生のイベントが矯正治療期間中に重複することもめずらしくありません。今回は、初診相談時にもたびたび質問される「矯正治療中に妊娠した場合どうなるか(どうするか)」について説明します。 矯正治療中の妊娠出産は可能 矯正治療の期間中に妊娠出産されること自体は、珍しいことではありません。しかし、患者さんの状況にあわせて矯正治療を休止するなど、適切な対応が必要です。 妊娠の可能性がある場合に気をつけること 矯正検査時のレントゲン撮影 矯正治療を始める際の ...