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セカンドオピニオンとは、相見積もりとかのことではないよ、という話

セカンドオピニオンを受ける理由と意味

患者が自分に最適な治療方法を選択するために、第三者の客観的な意見を求めることをセカンドオピニオンと言います。
ポイントは、患者さんにとって最適で、なおかつ納得できるものとするために、建設的に、専門家の客観的な意見を求めるという点です。
患者さん自身が受けている治療に対して、さまざまな不安や不満といったストレスを感じることでてくることがありますが、セカンドオピニオンとはそういった患者さんの質問を、一方的に他の医療施設に尋たり、あるいは不満や怒りをぶつけることではありません。

セカンドオピニオン本来の意味と手順を理解し、患者さんの治療がご自身にとって建設的なものとなるように活用しましょう。

セカンドオピニオンの対象とならない事例

わかりやすくするためにまず、セカンドオピニオンの対象とならない代表的な事例を列記します。
・担当医がセカンドオピニオンを了承していない。紹介状がない。
・担当医に対する苦情や不満の相談
・費用(医療費)についての相談
・担当医の変更や転移を目的とした相談
・裁判など係争を目的としての、治療の正当性や医療過誤の有無などの調査
...など
セカンドオピニオンの対象とならない事例を見てみると、セカンドオピニオンが本来どのようなものか、ということがわかりやすいと思います。

歯科医院も患者さんも、軽々にセカンドオピニオン、という言葉を使っているのでは?

自分に最適な治療方針を選択するために、担当医とは別の専門家に客観的な意見を求めることが本来のセカンドオピニオンの定義です。
診断や治療方針、治療方法の選択などについて悩んでいる時や、ほかに治療方法の選択の余地がないかと悩んでいる時などに、第三者である専門家の意見を得ることをセカンドオピニオンといいます。担当医の診断や現在の治療方法の妥当性を確認できたり、また、他の治療方法を得る機会となる可能性があります。

現担当医の意見を求めることができない状況で、現在受けている治療に不安や不満があるから医療施設や担当医を変えたい、治療方針の正当性を確認したい、といった相談はセカンドオピニオンとは言いません。一時期、さまざまな歯科医院のウエブサイトなどで「セカンドオピニオン随時受付中」といった文言が流布していましたが、これは本来のセカンドオピニオンを意味していたとは思えません。
患者さんからの一方的な申し出のみにより現状に対して意見をしてしまうと、これまでの経緯を把握しないまま判断をして説明をすることとなり、誤った判断や、誤解、齟齬を生じる可能性を生じてしまうため、真っ当な医療施設であれば、担当医の紹介状を確認した上でセカンドオピニオンの対応をするのが普通です。
患者さんも、さまざまな治療を受けるなかで、心配ごとや不満、ストレスなどを感じるさまざまな状況が生じる可能性がありますが、紹介状を携えることなく不安や怒りの感情を他の医療施設にぶつけたとしても(心情的な問題はさておき)医療の問題としてはあまり回答できることがないということになってしまいますし、担当医に対する苦情といった内容はセカンドオピニオンの対象となりません。
時折、セカンドオピニオンの際に貴院で治療した場合の見積もりが欲しいと言われることがありますが、ましてやセカンドオピニオンは治療費用の相見積もりをとるためのものではありません。

セカンドオピニオンの料金

セカンドオピニオンはいわゆる「治療」ではないため、健康保険が適用できず自費診療となります。
自費診療のため医療施設によって料金は異なり、最低でも1万円から1万5000円程度、所用時間や内容によってはさらにかかる場合もあります。

セカンドオピニオンの進め方

再三になりますが、セカンドオピニオンは患者さんが建設的に納得して治療方針や医療機関を選択するためのものです。
セカンドオピニオン先の医療機関では「客観的で公平な判断」が求められるので、患者さんの申し出のみで判断することはせず、担当医が診断に用いた検査結果、担当医の所見・診断など双方から情報を得て判断をします。

1. 現在の担当医にセカンドオピニオンを希望する旨伝えます。
 セカンドオピニオンの申し出を断られることは、基本的にありません。
 またセカンドオピニオンの意義的に、セカンドオピニオンを希望したからといって担当医との関係が悪化するような性質のものではありません。
2. 担当医にセカンドオピニオン依頼の紹介状を作成してもらいます。
 関係する検査結果やこれまでの経過など、セカンドオピニオンに必要な情報を依頼先の病院で把握できるようにします。
3. 依頼状、資料等を持ってセカンドオピニオン依頼先を受診します。
 質問事項などをあらかじめ簡潔にまとめておくと役に立ちます。
4. 必要に応じてセカンドオピニオン先の病院から担当医に、セカンドオピニオンの内容を連絡してもらいます。
5. セカンドオピニオンの内容に対して患者さんがどう考えたか、担当医と相談します。
6. 治療方針や医療施設の選択等について、最終的には患者さん自身が判断をして決定します。

ファーストオピニオンを大切にすることがやはり基本となる

多くの医療機関で複数の医師・歯科医師の意見を聞いた結果ドクターショッピングに陥り混乱してしまっては本末転倒です。一般的に、最初の担当医(ファーストオピニオン)がこれまでの経過に最も詳しい立場ということもあるので、その意見や理由となった検査結果などをしっかりと理解しましょう。
ファーストオピオニオンを理解することでセカンドオピニオンを活かすことにも繋がります。
本質的に、現在の担当医と良好な信頼関係を確立してしっかりと話すことがすべての基本です。
セカンドオピニオンは患者さんの治療の今後について、最適な選択を納得して行うためのものです。
医学用語として一般の患者さんにはわかりにくいところがありますが、より有益なものとするために、受診目的を正確に伝えてご相談をされることが肝要です。

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